TASTING

ワインのプロフェッショナルの方々からもお墨付きをいただいた極上の味わいをお楽しみください。

大越 基裕 氏

ワインテイスター/ソムリエ大越 基裕 氏

熟したブラックチェリーにローストしたプラムのニュアンス。カカオにリコリス、腐葉土など熟成の雰囲気を纏ったアロマ。
優しく滑らかな口当たりで、凝縮感と透明感の共存したテクスチャーが印象的です。

ジューシーな果実感とフレッシュな酸味が心地よく、わずかにドライなタンニンがスパイシーなフレーヴァーと共に余韻の味わいをバランス良く引き締めます。

赤ワインを使用した爽やかなビーフシチューや鰯や秋刀魚の梅煮のようなコクと爽やかさの共存した料理と相性が良いです。

(ACT3 2019においてのテイスティングコメント)

2013年4月
地上セラーにて熟成熟成した通常のSUBRINA
と海底熟成した SUBRINA との比較試飲会来場者:日本ソムリエ協会 会員様
特別ゲスト
  • クルーフワイナリー(CLOOF)
  • ヴィレム・ヴェンツェル氏(WILLEM WENTZEL)
  • (SUBRINA ワイン ACT1 生産者)
  • 南アフリカ大使館書記官

ご試飲による感想

  • 通常のセラー熟成のものは暴れ馬のようで元気いっぱいの香りだが、海底熟成ものは、ゆっくりと鼻に通っていく感じで味もまろやか。
  • 明らかに両者の質が違っており、熟成が認められる。 海底熟成は、角がとれ滑らかである。今が飲み頃ではないか。
  • アルコールのピリピリした感じが海底では穏やかである。 海底熟成の方が香りが開き、味わいが調和し一体感がある。

2013年4月6日(土)、SUBRINA のお披露目を兼ねた、初めての比較試飲体験会が青山ダイヤモンドホールにて行われました。前日より、春の大嵐の予報が出まして当日も朝から不要不急の外出はできるだけ控えるようニュースでも注意喚起されておりました。そのような足元のお悪い中にも拘らず、大変大勢の方々にお集まり頂くことができました。お越し頂きました皆様に心よりお礼申し上げます。誠にありがとうございました。セミナーでは、冒頭、南アフリカ共和国大使モハウ・ペコ博士 (Dr. Mohau N. Pheko) の名代として、政治部一等書記 官ムシビ様(Ms. N. Msibi )、総務部二等書記官モツェペ様(Ms L..G. Motsepe)のお二方にご臨席いただき、大使からのお言葉を給わりました。また、特別ゲストとして、SUBRINA の生産者であるクルーフワイナリー(CLOOF)よ り ヴィレム・ヴェンツェル氏(WILLEM WENTZEL)も来日し、ワインのスペックやワイナリーについてなどスピーカーとして語りました。

比較試飲体験会では、コモンセンスより、サブリナ誕生の経緯を説明申し上げ、ワインプレスインターナショナルとの共同プロジェクトの流れなどを、『 VENUS プロジェクト-サブリナ誕生物語 』 という短編映画にまとめ上映しました。 その後、いよいよお待ちかねの、「地上セラーにて熟成した通常の SUBRINA VS 海底熟成した SUBRINA との比較試飲」 をして頂き、試飲後、ワインにごご精通されているプロフェッショナルの多くの皆様にご好評をいただくことが できました。地上熟成・海底熟成の質の違いをそれぞれお感じいただくことができ、また、CLOOF ワイナリーのシラーの質の高さを改めてご認識頂くことができました。

2013年6月
ワインと食と Sake の情報誌 ヴィノテーク掲載
2013年6月号67頁
1980年4月創刊、日本で唯一のワインの月刊誌 ヴィノテーク

ご試飲による感想

  • 飲み比べてみると、海底熟成ワインのほうが酸味が落ち着き、風味に深みがあり、ナッツなどのニュアンスも表れ、より複雑になっていると感じられた。

In Japan

海底熟成に夢をのせて

「沈没した船から引き揚げられたワインの熟成感が面白かった」という話題を耳にする。「ならば、ワインを海底に沈めて熟成させよう」というプロジェクトが誕生した。そして 4 月に、海底熟成4カ月のワインと、同じく4カ月、通常の熟成を経たワインとの比較試飲会が行われた。

Venus(ヴィーナス)と名付けられたこのプロジェクトの発起人は、コモンセンスの青樹英輔さん。趣味のダイヴィングで沖縄に行くたびに、恩納村のダイヴィングショップの店主が、海底に沈めておいたワインや泡盛、ウイスキーなどを振る舞ってくれたという。青樹さんは、海底から引き揚げられた酒の中でも、赤ワインが明らかに飲みやすくなっていると感じ、事業として成立させたいと考えたそうだ。

まず、沈める場所が問題だったが、南伊豆の奥石廊崎、賀茂郡南伊豆町中木沖に、地元の漁協の協力も得られ決まった。 水の透明度は、日本屈指という。

次に、沈めるワインの選定。
「海底なので、水圧が加わり、地上のセラーよりも振動があり、温度変化も予想された。これらの条件に耐えられるしっかりとしたボディをもち、なおかつ熟成したときにおいしいと感じられるよう、果実味がきちんと抽出されたエレガントなワインを選ぼうと考えた。最終的に、南アフリカのクルーフ・ワイナリーのシラーズが候補として残った」と、このプロジェクトの協力者、ワインプレスインターナショナルの辻春美さん。 その後も克服すべき問題は山積みだった。特に、コルクが水圧でボトル内に押し込まれることを防ぐため、海水中の耐 圧試験を行い、深度 100m でも海水が浸透しないシーリング方法を確立した。ワインは実際には 16m の所に沈めるので、 大丈夫というわけだ。ラベルは水中で剥がれてしまうため、サンドブラスト加工で、ワイン名の「SUBRINA」とボトル に刻印した。

こうして、2012年11月16日、6000本のクルーフ・ワイナリーのリザーヴ・シラーズ 2011 がついに、南伊豆の海中に沈められた。ワインを収納した鉄柵は、1 カ月で魚が集まる漁礁となり、4 カ月で、鉄の部分が見えなくなるほどにびっしりと、海草が付いていたそうだ。
試飲会では、今年3月15日に引き揚げられた海底熟成 4カ月のワインと、セラー熟成のワインが供出された。海中の水 温は13~17°Cだが、すぐ近くを流れる黒潮が入り込むと温度が上がり、一日の中でも変化があるという。一方、セラーは15~17°Cに保たれたもの。クルーフ・ワイナリーから来日したヴィレム・ヴァンゼルさんは「海底熟成から引き揚げられたワインを飲んだのは今回が初めてだが、通常のセラー熟成のものと、かなり違いがあった。ワインがより柔らかくなり、果実味もより深みがあった」 と話す。

飲み比べてみると、海底熟成のワインの方が、酸味が落ち着き、風味に深みがあり、ナッツなどのニュアンスも表れ、より複雑になっていると感じられた。出席者からは「通常のセラー熟成のものは暴れ馬のようで、元気いっぱいの香りだが、海底熟成のものは、ゆっくりと鼻に通っていく感じで、味もまろやか」「海底熟成の方が、香りが開き、味わいが調和し、一体感がある」などの意見も。

ヴィノテーク 2013 年 6 月号より