海底熟成ワイン・SUBRINA サブリナ

ヴィノテークにSUBRINA比較試飲体験会の記事を掲載頂きました

あの田崎真也さんが代表を務めるワイン雑誌、ヴィノテーク2013年6月号に、4月6日に開催されたSUBRINA比較試飲体験会の記事を掲載頂きました。ありがとうございます!
以下引用となります。
ワインと食とSakeの情報誌 ヴィノテーク2013年6月号67頁
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In Japan
海底熟成に夢をのせて
「沈没した船から引き揚げられたワインの熟成感が面白かった」という話題を耳にする。「ならば、ワインを海底に沈めて熟成させよう」というプロジェクトが誕生した。そして4月に、海底熟成4カ月のワインと、同じく4カ月、通常の熟成を経たワインとの比較試飲会が行われた。
 Venus(ヴィーナス)と名付けられたこのプロジェクトの発起人は、コモンセンスの青樹英輔さん。趣味のダイヴィングで沖縄に行くたびに、恩納村のダイヴィングショップの店主が、海底に沈めておいたワインや泡盛、ウイスキーなどを振る舞ってくれたという。青樹さんは、海底から引き揚げられた酒の中でも、赤ワインが明らかに飲みやすくなっていると感じ、事業として成立させたいと考えたそうだ。
 まず、沈める場所が問題だったが、南伊豆の奥石廊崎、賀茂郡南伊豆町中木沖に、地元の漁協の協力も得られ決まった。水の透明度は、日本屈指という。
 次に、沈めるワインの選定。
「海底なので、水圧が加わり、地上のセラーよりも振動があり、温度変化も予想された。これらの条件に耐えられるしっかりとしたボディをもち、なおかつ熟成したときにおいしいと感じられるよう、果実味がきちんと抽出されたエレガントなワインを選ぼうと考えた。最終的に、南アフリカのクルーフ・ワイナリーのシラーズが候補として残った」と、このプロジェクトの協力者、ワインプレスインターナショナルの辻春美さん。
 その後も克服すべき問題は山積みだった。特に、コルクが水圧でボトル内に押し込まれることを防ぐため、海水中の耐圧試験を行い、深度100mでも海水が浸透しないシーリング方法を確立した。ワインは実際には16mの所に沈めるので、大丈夫というわけだ。ラベルは水中で剥がれてしまうため、サンドブラスト加工で、ワイン名の「SUBRINA」とボトルに刻印した。
 こうして、2012年11月16日、6000本のクルーフ・ワイナリーのリザーヴ・シラーズ2011がついに、南伊豆の海中に沈められた。ワインを収納した鉄柵は、1カ月で魚が集まる漁礁となり、4カ月で、鉄の部分が見えなくなるほどにびっしりと、海草が付いていたそうだ。
 試飲会では、今年3月15日に引き揚げられた海底熟成4カ月のワインと、セラー熟成のワインが供出された。海中の水温は13~17℃だが、すぐ近くを流れる黒潮が入り込むと温度が上がり、一日の中でも変化があるという。一方、セラーは15~17℃に保たれたもの。
 クルーフ・ワイナリーから来日したヴィレム・ヴァンゼルさんは「海底熟成から引き揚げられたワインを飲んだのは今回が初めてだが、通常のセラー熟成のものと、かなり違いがあった。ワインがより柔らかくなり、果実味もより深みがあった」と話す。
 飲み比べてみると、海底熟成のワインの方が、酸味が落ち着き、風味に深みがあり、ナッツなどのニュアンスも表れ、より複雑になっていると感じられた。出席者からは「通常のセラー熟成のものは暴れ馬のようで、元気いっぱいの香りだが、海底熟成のものは、ゆっくりと鼻に通っていく感じで、味もまろやか」「海底熟成の方が、香りが開き、味わいが調和し、一体感がある」などの意見も。
 ワインプレスインターナショナルによると、今後、少しずつ引き揚げながら販売を行う予定だという。第一弾の販売は今年夏ごろをめどとしており、小売価格は10000円近くになりそうだとの説明があった。
ヴィノテーク2013年6月号より

ヴィノテーク2013年6月号
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